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仮想通貨のマイクロペイメントで乗り越えるべき課題とは?

五月雨まくら(@samidare_makura)です。
今回は仮想通貨の新しいユースケースであるマイクロペイメントに関する議論を俯瞰しようと思います。

仮想通貨にマイクロペイメントを利用する

ここ数年の間に、IOT(Internet of Things)の考え方がますます魅力を増しています。それに加えてブロックチェーン技術の進化は、さまざまな情報やデジタル資産の取引に新しい概念をもたらしました。両方の組み合わせとして、IOT環境でマイクロペイメント(Micriopayments)に仮想通貨を利用するという考え方は、かなり人気を集めています。
(小規模な)デバイス間で情報を頻繁に転送するシステムでは、さまざまなシナリオで追加の価値移転を要求することができます。例えば自律走行型自動車について考えてみましょう。自動車は、駐車または通行のような優先サービスのために少額支払いを利用することになります。
とても頻繁かつ少額の支払いを伴う事例のためのブロックチェーンベースの決済システムの利点は明らかです。まず取引手数料がほとんどかかりません。さらに時間内に決済することができ、スマートコントラクトなどによってドロップアウトリスクが存在しません。このようなユースケースのためのPoC(概念的な試作)はたくさん構築されており、発表されています。
しかし企業がビジネスでブロックチェーンベースのマイクロペイメントを実現できるようになる前に、明確にされるべきことはいくつかあります。それらについて説明していきます。

TAX-税金

ブロックチェーンベースのマイクロペイメントの課税についてはさまざまな議論が行われています。それらの議論の大半は、課税は所得税とするとしています。これは多数の民間の仮想通貨投資家にも影響を及ぼすからです。税務当局にとって最大の問題は、ユーザが報告しなければ仮想通貨の性質上、資産を証明したり決定することが不可能であることです。
マイクロペイメントにとってさらに重要なことは、付加価値税(VAT)です。あるマシーンが他のマシーンに商品やサービスを販売している場合、金額はわずかですが付加価値税(VAT)を考慮すべき可能性があります。請求書を発行しようとしてもマイクロペイメントの場合、これは厄介な問題になるでしょう。しかし正確な請求書を発行することは税務上の理由から重要であり、請求書は特定の要件を満たさなければなりません。
さらに付加価値税(VAT)の法律は、商品の販売とサービスの提供を区別します。この区別は、非常に重要です。ただほとんどの場合、サービスとして扱われます。商品の販売には物理的なオブジェクトが必要となるためです。それらに加えて、企業が異なる国に設立された場合、課税対象が異なる場合がありますので注意が必要です。

Audit-会計

まず監査人は仮想通貨をどのように扱うべきか明確にしなければなりません。結局「現金」と「売掛債権」の間の新しいカテゴリが必要になるでしょう。しかし再び、トレーサビリティーの欠如という問題が発生します。中央エンティティが資産を確認することができないため、従来の「残高承認書」を作成することが不可能です。あるいは専門的にいえば、資産の完全性をチェックすることができません。
1つの部分的な解決作は、PayPalアカウントが処理される方法に類似しており、監査人がいる間にクライアントがアカウントにログインすることはできますが、完全性の問題の解決にはなりません。ただほとんどの場合クライアントは、資産を隠そうとする意思を持っていないため、この問題の重要性は少し低くなります。
見方を変えると、トークンは商品や在庫のように扱うこともできます。これはトークンの使用用途に大きく依存します。監査人はマイクロペイメントに基づくビジネスモデルに通ずる監査法人を準備する必要があるかもしれません。そのためバックボーンとなる技術の理解は避けることができません。
さらにほとんどの場合、マイクロペイメントの仮想通貨の使用には、会社のERPの特定のインターフェースが必要になります。たとえビジネスモデル全体がマイクロペイメントに基づいているとしても、給与計算や在庫管理にはERPが必要になります。したがって、スタートアップはこの点に留意する必要があります。

Law-法律

マイクロペイメントにはいくつかの法的問題が生じると考えられます。第一に仮想通貨の匿名性にはいくつかの利点があるかもしれませんが、それは法的には不利な状況になります。もっとも顕著なのは、マネーロンダリングなどの犯罪です。企業はユーザをそれらの犯罪から保護する必要があります。
支払いシステムで発行される手数料には規制も必要です。特に商業技術ではユーザをある種の搾取から保護しなくてはなりません。結果として、取引手数料は柔軟かつ人間が制御できる必要があります。システムによって発行される制御できない手数料は、重大な法的問題に直面する可能性があります。

Monetization-収益化

大量の仮想通貨を法定通貨に変換する方法はあまり存在しません。Binanceのような古典的な仮想通貨取引所で頻繁かつ大量の注文を行うことは適切な方法ではないようです。なぜならそのような方法にはかなりの追加コストがかかるからです。
この問題は根が深いです。例えば大手の自動車企業がマイクロペイメントシステムを実装することを決定したら、その企業は仮想通貨と法定通貨を交換していくるエンティティと強い依存関係を持ちます。前述した手数料の規制の必要性は、このような状況のもとでよくみられます。
さらに現在の仮想通貨のほとんどは、前払いで処理されます。つまり、まずトークンを使うためにはトークンを購入する必要があります。これにより企業の資産から現金が引き出されるため、流動性が低下します。クレジットカードによく似た後払いシステムを採用する仮想通貨は、新しいユースケースを生み出す可能性があります。

まとめ

ここまで解説してきた議論を踏まえると、ブロックチェーンベースのマイクロペイメントの実現には大きなハードルがあることがわかりました。しかしこれは決して、その取り組みへの期待を減らすのものではありません。少なくとも、スタートアップや既存の企業が技術的あるいは概念的な解決策を生み出すための土台は明らかになっているということです。また中長期的にはこれらの問題を解決する専門サービスの需要が高まることになるでしょう。
IOT領域で仮想通貨のマイクロペイメントが行えるようになれば、あらゆるビジネスシーンでこれらが利用されるようになるでしょう。その時の経済効果は計り知れません。この記事では、乗り越えるべきいくつかのハードルを提示しました。時間がかかるかもしれませんが、これらの要件を一つ一つクリアしていけば、ワクワクするような未来が目の前に迫ってくるでしょう。

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五月雨まくら

五月雨まくら

一橋大学商学部(専攻:芸術産業論)卒業。 外資系コンサルのアクセンチュアを経て独立、ライターになる。 2017年5月、仮想通貨に興味を持って以来、さまざまなメディアにコラムを寄稿。
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