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もし、ブロックチェーンが日本の新卒採用に利用されたらどうなるだろう?

五月雨まくらです。
2017年は仮想通貨元年と呼ばれ、ビットコインを初めとする仮想通貨の価格は大きく高騰して数多くの億万長者を生み出しました。
そのため、仮想通貨と云うと投資あるいは投機の対象というイメージが先行しています。
これは間違いではないのですが、他にも注目すべき点があります。
それは、ビットコインを支える技術であるブロックチェーンが社会に与える影響です。

ブロックチェーンが社会に与える影響


ブロックチェーンはわかりやすく云えば、中央機関(政府や銀行)への信頼を必要とせずに、世界中の異なるコンピューターにデータを分散して保存するシステムです。
ブロックチェーン上で行われる取引(トランザクション)は、公開、同期、暗号化されているため、セキュリティ、コスト削減および透明性が保証されます。
現在、ブロックチェーン技術は金融に留まらず、物流、不動産、医療などさまざまな産業で応用されています。
この記事では、もしブロックチェーンが日本の新卒採用に利用されたらどうなるかについて、論じてみます。

日本の新卒採用の問題点


日本の新卒採用は世界的に視ると特異な進化を遂げていると云えます。
しかし、この仕組みは大くの問題を抱えており、日々、TVニュースや新聞ではそれらが声高に指摘されています。
ここでは、日本の新卒採用が抱える問題点を3つ、簡単にですが、取り上げたいと思います。

問題①:企業と学生のミスマッチ

近年、新卒採用で入社した学生が1年を待たずして辞めてしまうことが多くなっています。
五月雨(筆者)が電車に乗っているとさまざまな転職エージェントの広告が貼られている様子を見かけます。
それほど、現在の採用市場では人材の流動性が高いということなのでしょう。
新入社員がすぐに会社を辞めてしまう要因はいろいろな角度から論じることができますが、最大の論点は「企業と学生のミスマッチ」です。
つまり、企業は望んでいた人材像と学生の実態との乖離を嘆き、学生は想定していた仕事あるいは条件が事実と異なりショックを受けます。
これらの問題が起こる原因の一つは、学生と企業の間で、情報共有が適切に行われなかったからでしょう。

問題②:学問への悪影響

新卒採用において、大学の成績の良し悪しよりもどのような課外活動(インターンシップやボランティアなど)を行っていたかの方が重要視される傾向があります。
確かに、後者の経験は学生の実際的なスキルをある程度保証する要素となるため、それらに重きを置くことは理解できないことではありません。
しかし、学生の本分は当然のことながら学業にあり、中長期的な視点で学生の思考力の基礎を作ることになるため、新卒採用のために、学業が疎かになってしまってはならないでしょう。
とは云うものの、現在の新卒採用の仕組みでは、学生は学問に集中するインセンティブを得られない状況であることは仕方なくもあります。
時には、企業で内定を貰うために大学の授業を休んで、課外活動に取り組み内定を取ることはできても、単位が足らずに卒業できず内定を辞退するという本末転倒なコトも起きているようです

問題③:採用コストの肥大化

企業が学生の採用にかけるコストは年々増加しています。
一般的に、企業が学生を雇うための費用は1人あたり約50万円と云われています。
この支出の中で、特に目立つモノは就職エージェントに対する支払いです。
リクナビやマイナビといった就職エージェントは、企業と学生をマッチングさせるハブとしての機能を持ち、現在の新卒採用のプロセスではなくてはならない存在になっています。
その他にも、学生の情報の管理などにも多くの費用が使われています。

ブロックチェーンが新卒採用に与える影響とは!?


ここでは、前章の新卒採用における問題点を踏まえて、ブロックチェーンがどのように新卒採用に影響を与えるのかを3つの視点から述べたいと思います。

影響①:信頼できるデータの共有が容易に

企業と学生が情報共有を適切に行うために、ブロックチェーンを利用することで、2つの恩恵があります。それは、

  • ① 信頼性の保証
  • ② 共有の簡便化

です。
①に関しては、ブロックチェーン上に保存されたデータは事実上、改ざんすることができないため、誰にも修正・削除することができず、データの信頼性を保証します。
②に関しては、ブロックチェーン上に学位や資格を保存しておけば、データの所有者の許可を得ることで、それらのデータを簡単に参照することができます。
①と②によって、企業は応募している学生の信頼できるデータに簡単かつ詳細にアクセスすることができ、学生は企業の実体を正確なデータ(離職率や昇給制度など)で確認することができるため、前章の「問題①」のミスマッチの可能性を減らすことができます。

影響②:学問に取り組むインセンティブの向上

もし、企業が学生の成績の詳細までをブロックチェーン上の記録から確認することができるようになれば、採用基準に大学の成績や資格が今より重要視されるようになり、学生が学問に真剣に取り組むインセンティブを生み出すことことが可能になります。
これにより前章の「問題②」の学問への悪影響を改善することが可能になります。

影響③:採用コストの削減

ブロックチェーンを利用することで、第三者の仲介(就職エージェント)を必要とせずに当事者同士(学生と企業)で直接コミュニケーションをとることが可能になります。
なぜなら、「影響①」で述べたように、信頼できるデータを学生と企業の間で共有することができるからです。
そのため、就職エージェントに支払っていたコストを削減できます。
また、履歴書、成績表あるいは資格証明書などの紙(ペーパー)による記録を手作業で処理するプロセスとそれらを安全に保管するプロセスをデータのデジタル化によって、失くすことができるため、それらにかかっていた費用もまた削減することができます。
これにより前章の「問題③」が改善されることが予想できます。

五月雨の考察と結論

この記事では、日本の新卒採用における問題点を3つ挙げ、それらをブロックチェーンを利用することで解決できることを3つの影響から明らかにしました。
これらの解決策が即座に実行されることは日本の新卒採用シーンの保守性を考えると難しいかもしれませんが、ユースケースのモデルを示すことで、ブロックチェーンの有用性をより身近に感じることができるように、執筆しました。
ブロックチェーン技術の汎用性は高く、まだまだたくさんの実用例を生み出す可能性があります。
動向を注視したいですね。

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五月雨まくら

五月雨まくら

一橋大学商学部(専攻:芸術産業論)卒業。 外資系コンサルのアクセンチュアを経て独立、ライターになる。 2017年5月、仮想通貨に興味を持って以来、さまざまなメディアにコラムを寄稿。
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