インタビュー

スポーツチームと提携し、イベント時の渋滞が激減!駐車場シェアリングサービスakippa(アキッパ)広田氏インタビュー

全国の空いている月極や個人の駐車場を一時利用できる駐車場サービス「akippa(アキッパ)」。
事前に予約・決済を行うシステムなため、確実に停められるため安心できるとイベント時などに特に人気です。
全国33,000箇所以上から目的地に近い駐車場を見つけることができ、15分から使う時間だけ予約できる便利さ。

今回はakippaの取締役CWO 広田 康博氏にお話を伺いました。

【プロフィール】広田 康博

1982年生まれ。アクセンチュア、Fringe81、Googleを経て2015年7月にUターンでakippaへ入社。マーケティング・アライアンス・事業推進など事業の幅広い責任者経験を経て、現在は人事・広報の責任者を務める。2019年11月よりChief Well-being Officerに就任し、社員のWell-beingを向上させる役割を担う。 広田の入社以降、大手企業からakippaへの転職者が増えた。

サービス開始から6年、ユーザーの変化や反響とは


―2014年にakippaのサービスを開始し、この6年でどのような反響がありましたか?
変化や反響はすごく大きく感じてます。
2020年の1月時点でakippaの会員様が170万人まで増えており、昨年比で2倍近く増えています。
6年前リリースした時にはシェアリングが好きな方や新しいITサービスに興味がある方、ITに詳しい方などに使っていただく事が多かったのですが、だんだんとイベント・スタジアムに行くためや日常のお出かけ、買い物、家族に会いにいくために使う、という方が増えています。
6年の間に、より多くの人に広く利用していただいている状況です。

―利用されるユーザー層はどのような方が多いのでしょうか。

ご年齢としては、自動車に関連するサービスなので、30代や40代のような免許を持っている方、特に多いのはファミリー層の方であったり、スポーツ観戦・イベント観戦によく行かれる方です。
男女比でいうと、リリース当初は男性の方が多かったですが、女性の比率も高くなってきています。akippaは、一般的なサービスと比べると女性の比率が高いということが特徴かなと思います。

―ファミリー層が多いため、お母様と子どもでどこかへ行くということが多いですか?
はい、お出かけ先に駐車場を予約していきたい、どうしても車で行きたいという方がファミリー層で多いことが一つの要因だと思います。
もう一つは、女性の方があらかじめ駐車場を予約して安心して現地に行きたいという要望が多いため比較的女性の割合が高くなっています。

―遠出するシーンで利用されることが多いのでしょうか。
駐車場を予約していくというステップを踏むので、遠出や旅行、観光、イベントなどで使っていただくというケースが多いですね。しかし近場へのお出かけで使うケースも少なくありません。
例えば大阪駅に買い物に行くときに、今までは家族で電車で行っていたけどakippaがあることを知って車で行くようになったというお話を伺いました。ショッピングセンターの駐車場は例えば5,000円以上買うと2時間無料という料金システムがありますが、akippaだと大阪の中心地でも1日1,200円で停め放題のところもあるので、買い物だけでなくご飯を食べたり映画を観たり、ゆっくり遊んでも安い駐車料金なので安心という声もあります。

―特に利用が集中するシーズンなどはありますか?
人が外出する時期に利用が多くなります。例えば年末年始だと帰省の需要が高まりますね。住宅街でもコインパーキングはないけどakippaの駐車場ならある、というケースも多いです。
あとはゴールデンウイークやお盆休みなどの長期連休。旅行やお出かけをする際に駐車場を予約しておくという方が多くなっています。

オーナーとユーザーのコミュニケーションが次の利用にもつながる


―akippaは全国へ展開していますが、今後はどのように拡大していく予定なのでしょうか?
現在全国47都道府県で導入いただいていて、全地域を網羅している状態です。その中で注力している地域は首都圏、関西圏などの大都市となっています。
人口密度が高い場所のほうが駐車場を利用するニーズが高く、予約して使いたいニーズが強いので、特に東京・大阪の大都市圏で駐車場を増やしていきたいと思います。

―ビルの駐車場や個人宅などさまざまな場所があるかと思いますが、拡大の方向性としてはどちらをメインにしていくというのは決まっていますか?
以前はビルや大手不動産会社、地主さんと提携してビルの駐車場を増やすという取り組みを行っていましたが、最近では個人宅に関する取り組みを強化しています。
これはSOMPOホールディングスさんとの提携が大きな起点となっており、車の保険の契約がある個人宅のオーナーさんに対し、akippaをご提案するという形で連携しています。

―個人宅のオーナーさんはどのようなメリットを感じて貸し出されているのでしょうか。
一番大きなメリットは、直接的な収益ですね。
例えば甲子園の近くで貸し出されているオーナーさんは1ヶ月で3~5万円の収益になるケースもあり、ただ空いていてもったいない場所から収益が上がるということが一番大きなメリットになっています。
また、駐車場を借りるユーザーさんとのコミュニケーションであったり、自分の持っているもの、使っておらずもったいないもので誰かが喜んでくれるという点も大きなポイントになっています。
全てのオーナーさんがユーザーさんとコミュニケーションをされるわけではありませんが、そういったコミュニケーションを楽しむオーナーさんも増えてきています。

―オーナーさんとユーザーさんはどのようなコミュニケーションを取られているのですか?
例えば、甲子園付近のオーナーさんでは、毎年夏に地方からいらっしゃる方がお土産を持ってきてくれているようです。オーナーさんとコミュニケーションがとれると、同じ駐車場を使い続けたいということもあり、そのオーナーさんの駐車場の人気が高くなっています。
特に地方ですと単純に場所を貸して収益を上げるだけではなく、そういったコミュニケーションであったり自分の保有している場所が人の役に立っているという実感が大きいのかなと思っています。

―オーナーさんとakippaの方がお話する機会も多いのでしょうか?
自宅の駐車場を貸している場合、近くにコインパーキングもないのでなかなか自分の駐車場は稼働しないのではないか、使ってくれる方がいないのではないかと思われているケースも多いのです。しかし実際は住宅街の駐車場でもかなり稼働しており、「こんなに収益になると思わなかった」という声はもちろん、駐車場を利用した方が喜んでくれているという事がオーナーさんにとってすごく大きなポイントなのかなと考えてます。

スポーツチームとの提携で誰もがwin-win-winなサービスに

―個人のオーナーさんが駐車場を貸し出していることで、地域としてもメリットはありますか?
例えばスタジアムがあるような地域は、試合の日に多くのお客様が訪れるために、駐車場が足りなくて渋滞や違法駐車が発生しているというケースも多くあります。そこでakippaがスタジアムの近くに駐車場を開拓する事によって、違法駐車や、渋滞を緩和する取り組みをスポーツチームと共同で行っています。

―akippaさんの特徴としてさまざまなスポーツチームと駐車場のパートナー契約をされていますが、そこに着目した理由について聞かせてください。
akippaは元々空いている場所の有効活用ですので、「空いていてもったいない場所を誰かに貸す」というサービスとして始めています。
スポーツチームとの取り組みというのは実は真逆の考え方で、駐車場の混雑を改善するためにakippaの予約システムを使っています。元々のきっかけとしては、一番最初にJリーグのV・ファーレン長崎さんとの提携です。V・ファーレン長崎さんがJ1に昇格する際に、幸い多くの方がスタジアムに来ていただいたおかげで、駐車場のキャパを超えるまで車が集まり、約2時間や約4時間の大渋滞になってしまっていたんです。

というのも、駐車場は早いもの勝ちなので、駐車場が空く前からスタジアムに行って待っている事によって余計に渋滞するという悪循環になってしまっていたのです。そこを何とか改善しようということで、V・ファーレン長崎さんとakippaが提携して、駐車場の事前予約システムとしてakippaを使うという事を一昨年から始めました。

渋滞や駐車場の混雑を解決するためにスポーツチームとの提携が始まったというところです。

―最初はサッカーチームとの提携から始まり、今ではバスケットやラグビーなどのチームなど、拡大を続けている理由は何でしょうか。

akippaは、「あなたの“会いたい”をつなぐ」ことを目指しています。サッカーに限らず自分の好きなチームの応援に行きたいという方に対して、より多くの駐車場をご提供できるように様々なスポーツチームとの提携をしております。

―実際にakippaとスポーツチームと提携をしてみて、現場の方やスタジアムに来るユーザーさんの反響、また街への影響はいかがですか?

非常に多くの方が喜んでいただいています。それは施設のオーナーさんを始め、貸し手も借り手も地域も全てがwinになる、三方良しという所がakippaの最大のメリットだと考えています。
オーナーさんからすると空いていてもったいない場所が収益化できることが一番のメリットになり、ユーザーさんは今まで現地に行かないと駐車場が空いているかわからなかったところを、事前に予約をして安心して行くことができる。そして地域からすると、違法駐車や渋滞が減り、これまで試合がある日は地元の方が移動に困っていたという点が改善されたという、それぞれメリットがある取り組みになっています。

V・ファーレン長崎さんの事例で申し上げると、スタジアムの試合前には2時間以上の渋滞が起こっていたのが、全く渋滞がなくなるまで大幅に改善されています。

―それは皆さんが事前に予約をしているから、自分が予約した時間に来るからというのが大きいのでしょうか。
今までは現地に行ってから初めて満車だと知るという事が課題でした。しかしakippaが導入され、事前予約制になっていると駐車場の空き状況が予めわかります。最初からスタジアムの駐車場ではなくて、例えばパーク&ライドの駐車場を利用したり、また公共交通機関を使って行くなど、適切な情報を提供する事によって、サポーターさんが適切な交通手段を選べるようになったという所がポイントです。

―スタジアムやチームから皆さんにそういった情報を発信しているのですか?
はい。各クラブともにtwitter・facebookなどのSNSを使って、またスタジアムの現地でもakippaのチラシを配布したりご協力をいただいています。

―実際のakippaの稼働率はどれくらいでしょうか。
幸いほとんどの試合で100パーセントの稼働状況になっておりますので、まだまだ駐車場が足りないという状況です。

シェアゲートの活用で出庫時の渋滞も解決


―akippaのもう一つの特徴がシェアゲートの導入だと思っていますが、これは元々どのような問題意識から導入されたのですか?

駐車場が空いていて困っているというお問い合わせは昔から多数いただいてまして、特に困っていたのがゲート式の駐車場でした。
台数が多い駐車場はゲート式を使っている事が非常に多く、その一方でゲート式の駐車場は入出庫時にお金を払い精算しないと出ることができない仕組みです。
そのため場所が空いて困っていても、akippaを使うことができないという相互の課題がありました。これを解決するためにシェアゲートという端末を開発し、予約者だけがわかる暗証番号によってゲートを開閉する事ができるようになったのです。

―実際にシェアゲートを導入してみて、ユーザーさんの反響はいかがですか。

これまでは現地で出庫時に精算していましたが、akippaで事前精算されているのですぐに出庫できて混雑の緩和にもなっています。出庫時は精算機になかなか小銭が入らないなど、出庫時のちょっとした手間になっていた部分が解決され、よりスムーズに出られるになったという点でユーザーさんからも使いやすいという声はいただいています。

駐車場シェアリングサービスのトップとしての今後の展望


―現在、さまざまな駐車場シェアリングサービスが誕生している中でakippaさんがトップを走っていると思うのですが、今後の拡大についてはどのように考えていますか?

駐車場の業界に関してはまだまだ供給が足りないという状況ですので、これからも駐車場のシェアリングは伸びていくという風に考えています。

―訪日観光客に対しても今後の拡大性として考えていらっしゃいますか?
実はそこはあまり考えていないですね。海外からの観光客の方で自分で車を運転して移動する方が割合として少ないので、訪日観光客の増加は、現時点では大きなウエイトにはなっていません。

―なるほど。akippaは世の中の困りごとを解決することを目指しているとのことですが、akippaが今後チャレンジしていきたい事を教えて下さい。
akippaは「あなたの“会いたい”をつなぐ」ことをコンセプトにしています。
まだまだ全国的に予約可能な駐車場が足りない状況なため、これからも駐車場を増やして、どこにでも駐車場がある、だからこそよりお出かけしやすくなるという状態を目指しております。

―まだ使った事のないユーザーさんだったりとか、akippaを知らないユーザーさんに対して最後にメッセージをお願いします。
akippaは駐車場シェアリングという新しいサービスなので、漠然とした不安を抱いている方もいらっしゃるかと思いますが、一度使うと便利さを実感できると思いますのでぜひ一度ご活用いただければと思っております。

―貴重なお話をありがとうございました!

インタビュー:NANASE/撮影:菊池貴裕・堅田ひとみ

撮影協力:パレスサイドビル(株式会社毎日ビルディング)

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この記事を書いた人
BDディレクター。2017年12月に仮想通貨取引を開始。最近はいろんなポイント集めにはまったり、キャッシュレス化するべくお財布のダイエット(不要なカードを減らす大作戦)に挑戦したりしています。

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