BITDAYS(ビットデイズ)- 仮想通貨・ブロックチェーンの最新情報をお届け!仮想通貨のプロが監修する仮想通貨総合情報サイト

沼澤健人氏(Aerial Partners代表)× 森川夢佑斗氏(Ginco代表)トークイベント

Meetup大好きライター五月雨まくら(@samidare_makura)です。
今月26日に東京都・渋谷区でおこなわれた「第二回Aerialミートアップ」に参加してきました。対談形式だったので、少し手を加えつつ内容をそのままお届けします。
登壇したのは次の2人です。

沼澤健人:株式会社Aerial Partners代表取締役
森川夢佑斗:株式会社Ginco代表取締役

ブロックチェーンと見えざる経済圏

ブロックチェーン領域に足を踏み入れたきっかけは?

メルカリで働いていたことがあるのだが、メルカリの手数料は10%であった。そのうちの数%が銀行の決済・送金の手数料にかかっていて、それは問題だと思っていた。銀行の手数料が高い理由は、すべての資産を中央的に管理しているからだ。一方ビットコインは、中央組織がなくてもお金を送ることができるため、大幅にコストが削減できる。これを技術的なブレークスルーに感じたため、ブロックチェーンの世界に興味を持った。

仮想通貨が法定通貨にとってかわる未来がみえるか?

仮想通貨が法定通貨に置き換わるかはわからない。ただブロックチェーンはインターネットと同じくらいインパクトがある。かつてはTVや雑誌が情報を発信する世界だったが、インターネットが普及すると、誰でも情報を発信できる世界になった。つまり情報の発信が大きな機関から個人へと分散されていった。ブロックチェーンも同様だ。現在、価値の創造と流通にはコストがかかるが、トークンを生み出して経済圏を作ることで、利便性が高まるはずだ。

まったく同意。今日の経済圏とブロックチェーンが生み出す新しい経済圏には共通項が存在していて、黒か白かの議論ではない。ブロックチェーンが、いわゆる見えざる経済圏(Invisible economy)を生み出すことを信じている。

「体験」の摩擦を解消して初めて技術が浸透する

ウォレットサービスのように直接ブロックチェーンに触る領域のベンチャーは国内には少ない。ウォレットアプリケーションならではの難しさはあるか?

ウォレットはブロックチェーンに触りながらユーザーとも接点を持つ。難しいことは、サービスのフォーマットやデファクトスタンダードがないことだ。利用者が迷わないように、デザインには力を入れているが、なかなか難しい。

Gincoのプロダクトは触りたくなるデザインだと感じる。自論で新しい概念が浸透する時に起きる摩擦は3つあると考えている。「制度、技術、体験」の摩擦だ。弊社では制度の摩擦に注力した事業をおこなっているが、Gincoは体験の摩擦を解消しようとする意気がうかがえる。
ブロックチェーンの体験的な摩擦は大きいと考えている。ライトニングネットワークを実験してみたが数時間の準備がかかった。ユーザーが、ブロックチェーンを使っていることを意識しなくなる時にはじめて社会に浸透したといえるのではないか。

仮想通貨を電子マネーと同じ感覚で使えるようになることを意識している。インターネット企業という言葉を使わないように、ブロックチェーン企業という言葉が使われなくなる日が来るのでは。

まずは送金や決済のように生活に近い部分を滑らかにしていかないと、その先にある分散化やトークンエコノミーを実現することは難しい。Gincoはそれをしっかり考えている。

社会実装をかなり意識している。今ある社会の一歩先を作っていく。ブロックチェーンは2、3歩先。実現するためには、ステップを踏まえながら一歩ずつ進んでいくことを意識。

日本におけるブロックチェーン業界の現状

私はルールに近いところで仕事をしているので政府からの目線を担いつつ、サービスを作っている森川さんには現場からの視点でブロックチェーン業界がどう見えるかを知りたい。

「政府、ビジネス、ユーザー」の3つに分かれる。ユーザーに関しては、仮想通貨は投機の目線が強い。そこを超えて仮想通貨がインターネットレベルまで浸透するためには情報のギャップがあり非常に難しい。なぜ仮想通貨を安全に管理するのにウォレットを使うのか?まだまだ啓蒙が進んでいない。事業者に関しては、技術にコミットしているプレイヤーが国内には少ない。中国とか欧米、シンガポール、イスラエル、韓国が盛り上がっている。政府に関しては、取引所規制の観点が強く、ブロックチェーン事業に関する視線がまだ無い印象。

私は技術者ではないが、今年5月にコンセンサスというカンファレンスに参加して、海外に派遣された幕末の志士のような気分を味わった(笑) 日本人を「トレードモンキー」と呼んでいる人もいた。その言葉の意味するところは、投機は活発だが技術的な領域で出てくる日本人はほぼいないという状況だ。存在感があるのは、アジア人とりわけ中国と韓国だ。中国と韓国はプロトコルレイヤーの大きなプロジェクトがあり、財団を持って資金提供をしていたりするなどエコシステムが出来上がりつつある。日本でプロトコルレイヤーのプロジェクトで日本居住者向けサービスを展開することは制度的に難しくてストップがかかっているのがつらい部分。技術的なところでリーダーになることを夢みるプレイヤーをサポートしていきたい。
仮想通貨交換業者制度は、取引所を意識した制度になっている。できた当初は先進的といわれ、世界各国から問い合わせが来ていた。それが1年前くらい。コインチェックの事件はかなりダメージだった。代表の和田さんはIT畑出身だったが、交換業は金融の内部統制の色合いが強い。学生とかが事業を立ち上げることはかなり厳しい。ICOも日本居住者向けにはできない。私の考えでは、交換業は制度としてありつつも、独自プロトコルを作ることに関しては、段階的に基準を設ける必要がある。

ITサービスは、内部統制を意識していると海外のスピードについていけない。ブロックチェーンを既存の金融機関が押さえてしまって規制が強化されると、技術メインの領域が萎縮してしまう。ブロックチェーンは、総合格闘技のようなもので、それぞれの領域すべてが複雑なところがあり、テック系のベンチャーが出てきにくい。

私たちのようにサポート側が型みたいなモノを作り、これやれば大丈夫みたいなパッケージを提供していくことは大切。

これほど困難な領域もないと思う。非常に障壁が高い。IT系はグレーで突っ走るようなところがあるが、日本ではグレーは怖いねと思う人が多い。

まともなプロジェクトほどグレーな領域は攻めない。優秀なチームは埋もれるか、海外に出て行くか。Gincoが日本でやっている理由は?

日本のマーケットをしっかりやることはビジネス上重要。ブロックチェーンの社会実装を下支えするためにも、ウォレットを草の根的に広めていきたい。

ウォレットとマイニングの関係性とは?

ウォレット事業とは別に、モンゴルでマイニング事業をやっている。Bitmain製のマシンを投資家に売る正式なライセンスを取得。仮想通貨のマイニングのシェアは中国が70%くらいを占めている。それを分散する必要があり、日本のプレセンスを出したい。ウォレットの関連は、PoSで金利得るみたいなスキームの時に「ウォレットで管理すると金利受け取れるよ」みたいに将来的な関連性があると思っている。

ビットコインのインフラともいえるマイニングを中華系の企業がほとんど押さえているということは、日本はビットコインの輸入国であるともいえる。搾取されるのはどちらか?Gincoのマイニングは面白い。

もっとマイニング業者が増えればいいと思っている。一応、かけたコストだけ返ってくるモデルではある。

イーサリアムのPoSについて

イーサリアムがPoSに変更した時に、中長期的にイーサリアムの利用価格はどうなるのか?PoSには賛否両論あり、流動性が担保されて価格が維持される側面もあるが、ハイパーインフレが起きる危険性もある。どっちのスピードが早いのか。

イーサリアムは、仮想のOSマシンのようだが、処理の度に手数料がかかるのは馬鹿馬鹿しい。PoSの場合、ステークする量が決まっていなくて、コストがわからない。要するに、価格の基準を算定できない。個人的には、価格は下がる気がしている。ただそれは、手数料が安くなるので嬉しい。

PoSにしていくことはいわばOSの利便性を高める施策なのではないか。GASが安くなるならグッド。投資家にとってはわからないが。

Gincoの今後の意気込み

最後に、Gincoの今後についてコメントください。

Gincoは銀行から名前をとっている。今の銀行システムの手数料は高いという問題意識がある。今の時代に合っているものに作り変えたい。仮想通貨は投資の資産として捉えることも大事だが、仮想通貨が便利だと伝わるようなプロジェクト作りをしていきたい。

関連記事

【BITDAYS突撃インタビュー】国内最大のウォレットサービス、Gincoに潜入取材を敢行!
GincoがBitmain社の正規リペア認定を取得!販売・運用代行・修理をトータルでサポートする国内初のマイニング事業者に
仮想通貨の損益計算ツールのAerialPartnersとZaifのテックビューロが業務提携

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
五月雨まくら

五月雨まくら

一橋大学商学部(専攻:芸術産業論)卒業。 外資系コンサルのアクセンチュアを経て独立、ライターになる。 2017年5月、仮想通貨に興味を持って以来、さまざまなメディアにコラムを寄稿。
PAGE TOP